自分には縁がないと思っていたベートーヴェン作曲交響曲第九番の合唱での参加。
入団10年目に舞い込んだリモートでの協力依頼。そしてその後はリアル第九にも挑戦することになります。
Vol.1 第九に挑戦 2021/11/17
Vol.2 一万人の第九2021 2021/12.09
Vol.3 第九日記(1)孤独な第九 2022/10/20
Vol.4 第九日記(2)2回目の練習 2022/11/01
Vol.5 第九日記(3)オケ合わせ 2021/11/25
Vol.6 第九日記(4)リハーサル 2021/12/17
Vol.7 第九日記(5)本番を迎えて 2021/12/19
2021/11/17
Vol.1 第九に挑戦
「サントリー1万人の第九」というコンサートをご存知でしょうか?
大阪城ホールにオーケストラとソリスト、そして合唱団員1万人が集まりベートーベンの交響曲第9番を演奏するイベントです。第1回目の開催は1983年。指揮は初代の山本直純さんから佐渡裕さんに引き継がれています。
コロナ禍になっても何とか続けたいということで昨年から合唱団はお手本に合わせて歌った動画を投稿し、会場のスクリーンに映像と歌声が流される方法が導入されました。本番では指揮者がイヤホンで同じ音源を聴きながらタクトを振るのでタイミングは合うという仕組みです。
このイベントの事務局を担う大阪の毎日放送から電話がかかってきたのが今から約1か月前。「伊万里合唱団にも協力をお願いしたい」という内容でした。
合唱部分を12のブロックに分け、好きな部分を投稿していいということを団員に説明し名乗りを上げたのが私を含めて5名。今月上旬に楽譜を配り、今夜撮影会をしました。
一人ずつ撮影するため、緊張感に満ちた収録になるのかと思いきや、和気あいあいとしたムードの中、笑いにあふれるひとときになりました。送信も無事に完了。12月5日の本番の模様はYouTubeでも公開されます。
どんな音楽になるのか?団員の顔は確認できるのか?今から楽しみです。(管理人)
2021/12/09
Vol.2 一万人の第九2021
11月17日のブログでお伝えした「サントリー1万人の第九」が12月5日、大阪城ホールで開かれました。今年も新型コロナウイルスの感染拡大防止のため合唱団員を集めず、動画投稿の呼びかけに応えた国内外の延べ13,500人の歌声が会場に響き渡りました。
Youtubeで公開されたことを知り、背後の巨大スクリーンに投影される映像の中から我らが5人の姿を探してみました。その結果、今回はテナーのパートを歌われたベースのKさんと私の姿を確認することができました。残念ながら他の3人を見つけることはできませんでしたが歌声はオーケストラの演奏とともに確実に流れているはずです。
こうして観ていると実際にステージで歌っているような不思議な感覚になり、取り組んで良かったとしみじみ思っています。勉強にもなりました。もし、またこのような機会があれば是非団員みんなで挑戦しましょう。
※コンサートの模様は12月18日(土)午後4時からRKBテレビで放送されます。(管理人)
2022/10/20
Vol.3 第九日記(1)孤独な第九
伊万里合唱団に入団以来11年目にして初めて「さが県民第九」(ベートーベン作曲交響曲第9番〈合唱付〉)に挑戦しています。
合唱練習会場として私が申し込んだのは武雄会場。私以外はほとんどが経験者だと予想し、できるだけ足を引っ張らないよう2ヶ月ほど前から少しずつ自主練習に取り組んできました。
そして迎えた第1回目の練習日。受付で名簿を見たとき、テナーの申込者が私一人だけという衝撃の事実を知ることになります。ちなみにこの日の参加者はソプラノ8人、アルト6人、ベース5人だったのでテナーの少なさは際立っていました。
練習中、指導の先生から「次、テナー(歌って)」と言われると、ピアノ伴奏に合わせて私の独唱が始まります。これには参りました。
初日から味わったスリルとサスペンス。練習日は月曜日の夜なので次回はどんな「月曜サスペンス劇場」が待ち受けているのか。お楽しみに。(管理人)
2022/11/01
Vol.4 第九日記(2)2回目の練習
昨夜は「さが県民第九」の2回目の練習に行ってきました。
武雄市文化会館の音楽室の光景はというと、10人ほどに増えたアルトを横目にテナーはやっぱり私1人。少しは雰囲気に慣れてはきましたが、「次、テナー」と言われるとやはり緊張します。それでも、指導者の優しさと周囲の温かい眼差しに救われています。
この第九の特徴のひとつとして思うのは、合唱譜に高音域の音符がこれでもかと出てくること。テナーもきついし、ソプラノはさらに大変そうです。音域を気にせず、理想を追求するベートーベンの信念なのでしょう。
第九の本番の前には伊万里市文化祭、市民音楽祭とイベントが続きます。ハードではありますが、どれも悔いが残らないよう全力で取り組みます。(管理人)
2022/11/25
Vol.5 第九日記(3)オケ合わせ
11月23日(祝)は、さが県民第九合唱団と佐賀交響楽団との第1回目の「オケ合わせ」の日でした。会場は佐賀市富士町にあるフォレスタふじ。地元産の木材を贅沢に使用した芸術文化の拠点施設です。
今回の練習で一番嬉しかったのが、自分以外のテナーの人と初めて一緒に歌えたこと。しかもお隣は最高に上手な人でした。かつて大学時代は合唱団に身を置き、社会人になってからは転勤先にある日本各地の合唱団で活動を続けてこられたそうです。定年を機に福岡市に居を構え、三瀬峠を越えて佐賀での練習に参加されています。音程やドイツ語の発音は正確無比で声量は私の3倍。可能なら弟子入りしたいくらいでした。音楽を通してこういう交流ができるのも第九の醍醐味なんでしょうね。
次回参加できるオケ合わせは本番前日のリハーサルです。指揮者の先生から出された指示を繰り返し練習して本番に備えたいと思っています。(管理人)
2022/12/17
Vol.6 第九日記(4)リハーサル
第九の本番を明日に控え、佐賀市文化会館でリハーサルがありました。ひな壇の最上列(6段目)に指定された私は高所恐怖症なので心配でしたが1段の高さが21cmほどしかなく、また、後ろは壁だったので全くの取り越し苦労でした。むしろ見晴らしの良さは格別で気分は爽快です。
バイオリンパートの友人からは練習が始まる前の様子を写した写真が送られてきました(下の写真)。神妙な顔つきをしています。
さあ4人のソリストも合流し役者は揃いました。明日が楽しみです。(管理人)
2022/12/19
Vol.7 第九日記(5)本番を迎えて
雪が舞い散る真冬の寒さの中、2022第26回さが県民第九公演が開かれました。130名の合唱団は横島先生の指揮に全神経を集中し、最高の歌声を披露することができたと思います。私にとっても悔いが残らない会心のステージでした。
休憩時間には隣の男性から音楽観や人生劇場、音楽にまつわるエピソードなどをお聞きすることができました。その内容は大変興味深く、もっと聞きたいと思うほどでした。他にも武雄会場での交流も含め、様々な方々との出会いは貴重な経験と財産になったと思っています。
今回のコンサートはホール内での撮影が禁止されていたことから残念ながら本番の写真はありません。その代わりといってはなんですが、こちらの3枚。上は本番前の練習(GP)風景、下の左側は佐賀交響楽団のメンバー(大学時代に一緒に活動したヴァイオリンの同級生とヴィオラの先輩)との記念写真。その右の写真は恐れ多くも4人のソリストの皆さんと一緒に写真に収まってしまった奇跡の一枚です。
話は変わり、実は今回、年老いた両親を客席に招待しました。クラシックの演奏会は初体験です。帰宅後に感想を尋ねたところ、父親は興奮気味に「良かった〜」と話してくれました。父親にだけは一度は聴かせたかった第九の演奏会。なぜなら職業が「大工」だから。(管理人)