阪神甲子園球場で開催された第90回記念選抜高等学校野球大会(2018.3.23~4.4)の21世紀枠で伊万里高校野球部が初出場を果たしました。
初戦の相手は史上3校目の春連覇がかかる優勝候補筆頭の大阪桐蔭高校。その結末やいかに。
伊万里合唱団管理人のブログを中心に、前年秋からの軌跡を振り返ります。
2017/9/30
九州大会への切符
9月16日に開幕した第141回九州地区高校学校野球佐賀大会。本日、県営球場で準決勝の2試合が行われました。
優勝・準優勝の2校は10月21日から宮崎県で開催される九州大会に佐賀県代表として出場することになります。
この九州大会で上位に入れば来春のセンバツ出場が濃厚となるため、県大会の準決勝は甲子園に繋がる特別な戦いということになります。
第1試合は伊万里高校対多久高校。伊万里高校は甲子園で優勝経験がある佐賀商業高校、佐賀北高校を連破して勢いがあり、地元の期待も高まります。
試合は多久高校が1点リードで終盤へ。悲壮感が漂う8回に伊万里高校が起死回生となる2点を入れ、そのまま逃げ切りました。
伊万里高校は135季ぶりとなる九州大会出場です。本大会での活躍を祈ります。(管理人)
◆佐賀大会の決勝は佐賀学園との対戦。残念ながら敗退となりましたが堂々の準優勝です。
〈県大会での伊万里高校の成績〉
・2回戦(神埼) 9-2
・3回戦(佐賀商) 5-4
・準々決勝(佐賀北) 4-1
・準決勝(多久) 2-1
・決勝(佐賀学園) 2-8
九州大会
第141回九州地区高校野球大会(宮崎県)は10月23日に1、2回戦が行われ、伊万里はセンバツで2度の全国制覇を達成したこともある強豪校、沖縄尚学と対戦し、0-8で敗れました。
伊万里は8回まで沖縄尚学の得点を3点に抑え、チャンスを待ちましたが、9回に一挙5点を奪われ九州大会初勝利はお預けとなりました。
一般選考枠(九州から4校)での甲子園出場は断たれましたが、県大会での戦いぶりが評価されていることから21世紀枠での推薦に望みを繋げます。
2017/12/16
見えてきた甲子園
来年春の「センバツ」に出場する「21世紀枠」の候補として国内9ブロックからの推薦校が昨日発表され、九州ブロックは伊万里高校に決定しました。
21世紀枠とは文武両道の学校や、恵まれない練習環境の中で実績を残している学校など、野球の実力以外の要素を選考条件に加えることで出場機会を広げることを目的に創設された出場枠です。
最終的には来年1月26日の選考委員会で9校の中から3校に絞られることになるため楽観はできませんが、地元では大いに期待が高まっています。選考委員の皆さん、何とぞよろしくお願いします。(管理人)
2018/1/27
祝 センバツ出場決定!
先日のブログでお知らせした通り、第90回記念選抜高校野球大会の出場校が昨日決定されました。
伊万里市役所1階の市民ロビーは特設のパブリックビューイング会場となり、市長を始め市民の皆さんが午後3時の発表を固唾を飲んで見守ります。
そして、21世紀枠西日本ブロックの代表として「伊万里高校」が発表されると会場は大きな歓声に包まれました。
伊万里市内はお祭り騒ぎで、大変盛り上がっています。私もできることなら応援に行き、全国的にも珍しい混声三部合唱の校歌を甲子園に響かせたいと思っています。(管理人)
◇21世紀枠に選ばれた理由とは
9校の候補の中から、21世紀枠として最終的に選ばれるのはわずか3校。狭き門です。ネットでは複数の予想が掲載されていましたが、「伊万里」を予想する意見は見当たりませんでした。そんな逆風の中、なぜ「伊万里」が選ばれたのか…。
伊万里高校のプレゼンを行ったのは佐賀県高野連理事長の吉冨寿泰氏。11年前の夏の大会で佐賀北高が全国制覇した時に野球部長を務められていた方です。福岡市にある客室乗務員の専門学校まで出向いて、心に響くスピーチをするための指導を受けられ、本番では、学業と両立しながら短時間で効率的な練習を行っていることや、地元の少年野球大会で審判を手伝い、地域に貢献していること、紫外線を浴びると失明の恐れがあるため、サングラスをかけてプレーをしている選手がいること、九州大会には67年ぶりに出場したこと、佐賀からは10年間センバツに出ていないことなどを熱く訴えられたそうです。
吉冨理事長のご尽力なくしては実現しなかったかもしれないセンバツへの切符。伊万里にとって大恩人と言っても過言ではありません。
◇関東での盛り上がり
2016年の暮れ、東京・新橋にオープンした「伊万里ちゃんぽん新橋店」は、本格的なちゃんぽんが味わえる評判の店です。
ここは伊万里出身者が集う場所としても定着をしていて、私の同級生のH君も常連客の一人です。
あるとき彼が立ち寄ったところ伊万里高校を応援するオブジェが目に入りました。しかも彼の写真が使われています。彼は戸惑いながらも喜んでいます。
これから関東支部の応援団長として頑張ってくれるでしょう。
2018/3/16
センバツ抽選
待ちに待ったセンバツ高校野球の組合せ抽選会が本日ありました。
伊万里高校の犬塚主将が引き当てた相手、それは大会連覇を狙う優勝候補筆頭の大阪桐蔭高校です。
試合の日程は3月26日(月)の第2試合。超ビッグネームに21世紀枠代表がどう挑むのか。早くも注目が集まっています。
実力面で差があることは認めますが、同じ高校生ですので何が起こるかわかりません。
甲子園に棲むという「魔物」を味方に付け、佐賀北の「がばい旋風」ならぬ「イマリン旋風」が巻き起こることを願うばかりです。(管理人)
◇旧友対決
快速球で名をはせる大阪桐蔭高校エースの柿木投手は多久中央中学出身。伊万里高校の古賀選手とは中学時代、硬式野球の東松ボーイズでチームメートでした。柿木投手は中学時代から140キロ台の速球を投げ、日本代表に選ばれたこともあるそうです。
それぞれ別々の高校に進学した二人が甲子園という夢の舞台で対戦することも大きな話題になっています。
◇伊万里高校を出発(2018.3.19)
2018/3/21
幸運の女神
伊万里高校吹奏楽部の第20回定期演奏会が、本日、市民センターで開催されました。
当初の計画では3月25日(日)に予定をされていましたが、23日に開幕するセンバツ高校野球大会の期間を避けるため、演奏会の日程が変更されたようです。
素晴らしい演奏はもちろんのこと、笑いあり涙ありの演技や合唱、ダンスなどサービス精神に溢れ、満員の聴衆を魅了しました。
また、指揮の中尾先生は佐賀北高校に在学していた当時、夏の甲子園大会で、ブラスバンドの一員として応援し、全国制覇を達成した経験がある方です。
伊万里には幸運の女神がいる。そして大阪桐蔭高校戦では神がかり的な何かが起こる。そんな予感がします。(管理人)
第90回記念選抜高等学校野球大会 開幕
2018/3/25
決戦前夜
熱戦が続いているセンバツ高校野球大会。いよいよ明日の第2試合に伊万里高校が登場します。
私は今夜8時に出発するツアーバスに乗って甲子園に向かいます。
同級生のLINEグループ(102人)では校歌の楽譜や音源が公開されているので、本番に備え、自宅で練習を重ねている人もいるのではないでしょうか。
そして、各地からやってくるコーラス部OBも、気合いが入っています。
明日は、3塁側のアルプススタンドの全員が団結して、大阪桐蔭の応援団に負けない声援を送り、選手の後押しをします。(管理人)
◇入場許可を待つ応援団
2018/3/27
甲子園レポート(1)
第90回記念センバツ高校野球大会、伊万里高校対大阪桐蔭高校戦を応援してきました。
バス移動組は伊万里を日曜日の午後8時に出発し、途中、兵庫県内のサービスエリアで3時間ほど待機した後、甲子園球場近くの駐車場に午前10時頃到着。
3塁側アルプススタンドには全国から3千人を超える伊万里高校応援団が集結し、プレイボールを待ちます。
試合は、優勝候補筆頭で多くのドラフト候補選手を擁する大阪桐蔭打線の猛攻を受け、序盤から大量失点を背負っての苦しい試合展開となりました。
しかし、選手と応援団は決して諦めません。
やがて、チャンスは巡ってきます。終盤の8回と9回にそれぞれタイムリーヒットでホームベースを駆け抜けたときには、スタンドは興奮のるつぼ。まるで勝ちゲームのような盛り上がりでした。泣いている人もいます。
スコアは2対14。大差がつきましたが、大会連覇を目指す王者を相手に、ひるまず、最後まで果敢に攻めた選手たちを誇りに思います。感動をありがとう。(管理人)
2018/3/29
甲子園レポート(2)
伊万里高校の選手・応援団に対してはインターネット上にも好意的な投稿が多数寄せられていました。印象に残ったコメントをご紹介します。(管理人)
1.「大阪桐蔭対伊万里 最終回の9回表 伊万里の応援の迫力やばかった。 最後までこんな盛り上がりの伊万里すごかったです。」
2.「私は桐蔭が好きでいつも応援しているんですが、伊万里と戦えてこれもご縁です 。~略~ 応援団の凄さと最後の追い上げも感動しました。伊万里さんありがとうございました。」
3.「アルプスめっちゃ応援いてて感動した(๑˃̵ᴗ˂̵) 代打前川一球くん (名前がいい)が打って2点目が入った9回表、相手チームだけど思わずわぁぁ〜って立ち上がってママ友と喜んだ。高校野球ってほんといいですね。」
4.「一塁側から見ていた大阪人が三塁側に行けば良かったと思ってしまうほどに引き込まれました 終盤はむしろ伊万里が押していた感じさえしましたねぇ 終盤に2得点、しかもエラーや四球絡みなどの他力本願ではなくしっかりと打っての2得点は素晴らしかったです( ´ ▽ ` ) 記念に伊万里の校名入りボールを買わせて頂きました」
5.「私は福岡です。抽選で大阪桐蔭さん、「嘘やろ」と思いましたが、選手・応援団共、最高の場所で最高の相手に、最高の思い出ができたと思います。 選手もスタンドも初の甲子園。 初々しい姿に感動の涙。」
6.「なんか伊万里かっこいい 最後まで諦めないチームって めっちゃかっこええ。」
(大会終了後のコメント)
「2018選抜高校野球で一番凄い試合だったと思う。大阪桐蔭に10点差以上あっても試合が終わるまで吹奏楽 チアリーダー 出場選手 ベンチ入り出来なかった選手 生徒のみんなで応援してたのが凄く感動した!。」
2018/3/31
甲子園レポート(3)
私の夢のひとつは「甲子園で伊万里高校の校歌を歌うこと」でした。
伊万里高校の校歌は、男声パートの他、女声はソプラノとアルトに分かれるという全国的にも珍しい混声3部合唱の曲です。
ところで、女声のパート分けの基準は何だったのか、少し前に、同級生の中で話題になったことがあります。諸説ありましたが、芸術教科で「音楽」を選択した生徒が、授業の中でアルトのパートを覚えたという結論に至りました。(今はどうされているのか、わかりません)
片岡繁男作詞、森脇憲三作曲による校歌はゆったりとした導入部から軽快なテンポの中間部へと続き、男女の掛け合いを経てフィナーレを迎える構成で、芸術性の高さは他に類を見ないと思っています。
(故)片岡繁男先生は「愛郷の詩人」と呼ばれ、「交響詩伊万里」「交声曲伊万里」の作詩者としても有名な方でした。
また、生前は伊万里合唱団の指揮者Nさんと手紙を通した交流が続いていたこともあり、今年6月の定期演奏会では「交声曲伊万里」をプログラムに加え、練習に励んでいます。
今回のセンバツでは、自分の作品が甲子園で響き渡り、きっと喜ばれていることでしょう。
私も、生きているうちに叶うことはないと思っていた夢が現実のものとなり、感無量です。生徒たちには感謝の言葉しかありません。(管理人)
2018/4/1
甲子園レポート(4)
試合終了後に球場を去ろうとしていたとき、中学生らしき少年が駆け寄ってきて、「伊万里高校のファンです。記念に何かグッズをもらえませんか?」と頼まれました。
大阪から来たというこの少年。王者に果敢に立ち向かう、伊万里高校の姿にきっと心を打たれたのでしょう。私は感激して、予備に持っていた応援グッズ一式(メガホン、帽子、タオル、ジャンパー)をプレゼントしました。
これを機に、伊万里を身近に感じてもらい、将来、伊万里に来て自然や陶磁器、文化などを満喫してくれたら素敵なことだと思っています。
4回にわたってお届けした甲子園レポートは今回が最終回です。
野球を通した交流やドラマ、泣き笑い、これらの全てが忘れられない一生の思い出になりました。ありがとう甲子園。(管理人)
2018/4/5
甲子園レポート(番外編)
13日間にわたり甲子園で繰り広げられた熱い戦いは、大阪桐蔭高校の史上3校目となる春連覇で幕を下ろしました。
閉会式では応援団優秀賞の1校として伊万里高校が選ばれ、伊万里は再び歓喜に包まれています。
また、今週発売の週刊現代には「春のセンバツ特別読み物」と題して、伊万里高校に10日間、密着取材をして書かれた記事が4ページにわたり掲載されています。そこには、打者がひとりも出塁できずに終わる「完全試合」を恐れていた指揮官の心境や選手達の揺れ動く素直な思いなどが軽快なタッチで描かれていました。
昨秋の九州地区大会県予選以降、希望や勇気、感動を与え続けてくれた伊万里高校に改めて感謝します。そして、貴重な経験を生かし、夏の大会では佐賀県代表として再び甲子園の土を踏んでくれることを願っています。(管理人)
◇伊万里高校校歌と伊万里合唱団
甲子園で放送された伊万里高校の校歌は伊万里合唱団が歌った音源が使用されていたことが、後日判明しました。
今から23年前、伊万里高校創立80周年の記念事業として企画されたCD制作。その際、伊万里合唱団に協力依頼があり、校歌の収録が行われています。話をしてみると、その当時のことを覚えている団員も複数いました。
このCDの中には、前身の総合高校や高等女学校の校歌、第一、第二応援歌、青春の詩、栄冠の歌、雑草の歌なども入っています。
伊万里合唱団の歌声が甲子園球場で流れ、全国に向けて放送されたことは大変名誉なことであり、この上ない喜びでもあります。
思わぬ形で光が当たったことに不思議な導きを感じつつ、これからも伊万里合唱団は地域とともに歩んでいきます。
2018年6月24日に開催した第32回伊万里合唱団定期演奏会ではアンコール曲として伊万里高校の校歌を歌いました。
定期演奏会のアンケートより
・最後のアンコールで伊万里高等学校の校歌を斉唱していただき、ジーンとしました。卒業生として3番とも歌うことができて、感慨深いものがありました。甲子園球場のフィルムを使っていただき、皆さん伊万里愛を再確認されたものと思います。
・アンコールの伊高校歌、会場の他のお客様も一緒になって歌い、一体感があって本当に良かったです。
・伊万里高校の校歌はとてもおしゃれ。隣で卒業生の義姉が声高らかに歌っていて、とても感動しました。素晴らしかった。
・伊万里高校の出身ですが、思いがけない校歌に感動しました。
・伊万里高校の歌、感激した。
・伊高、校歌、最高!!
◇ドラフト2018
2018年10月に開かれたプロ野球ドラフト会議では、大阪桐蔭高校から4人《根尾(中日1位)、藤原(ロッテ1位)、柿木(日本ハム)、横川(巨人)》が指名を受けました。
改めて大阪桐蔭の凄さを実感します。