◇番組名 所さん!大変ですよ (NHK総合テレビ)
◇放送日 2017年3月2日(木)20:15~20:43
地域や企業の関係性を強くし、故郷の心や企業理念の一体感を生み出すためのツールとして県民歌や市民歌、社歌が注目されています。
これらの歌が作られた背景に迫り、関連性を見出していくのが今回のテーマ。そのひとつとして「伊万里讃歌」に関する取材が行われました。
【放送された番組の概要】
番組の冒頭で紹介した和歌山県を始め、全国には数多くの県民歌がある。県民歌の中で地元住民の知名度が圧倒的に高いのが長野県歌「信濃の国」。
なぜ長野では県民歌が根付いているのか。長野県は元々、北部長野と南部の筑摩の一部が統合して誕生したもので、県庁所在地をめぐり北部と南部との間で歴史的な対立が続いていた。昭和23年に分県案が県議会で審議されると分県推進派が優勢に。その時、殺気立つ議場に「信濃の国」の大合唱が傍聴席から沸き起こり、審議は終了。長野県を2つに割る話は立ち消えになった。
県民歌の他にも、市町村の歌は全国に400以上あると言われている。その中でも佐賀県伊万里市の歌は日本一長いという。伊万里合唱団に「伊万里讃歌」を歌ってもらいタイムを計った。曲の長さは5分31秒。ちっとも長くない。実は今歌ったのは伊万里讃歌の一部分で詳細は図書館に行けば分かるとのこと。
※オンエアされなかったが2回歌って2回とも5分31秒。指揮者のテンポの正確さにディレクター驚く。
スタッフは図書館に向かった。伊万里市民図書館の杉原館長に話を聞いた。曲は全部で8章あり、合唱団が歌っていたのは最後の1章だった。図書館の壁面には8章までの歌詩が書かれた陶板が飾られている。THE虎舞竜のヒット曲「ロード」(13章まである)がBGMで流れる。曲の全てを収録したCDを館長とともに聴く。次第に疲労の色が滲んできた。結果40分弱だった。
スタジオの所さん:「ミュージカルだね。ミュージカル!」
なぜ、これほど長くなったのか。24年前、教育委員会で伊万里讃歌の制作に深く関わったという古瀬さん宅を訪ねた。作詩は犬塚堯という著名な詩人に依頼した。聞けばこの人物、現代詩の芥川賞とも称されるH氏賞を受賞した人で、幼い頃を伊万里市で過ごしたという。その縁で伊万里讃歌の作詩を依頼したというのだが…。筆が走りすぎたのか、なんと縄文時代まで遡り、伊万里の名所や歴史が事細かく歌詩に盛り込まれたという。
古瀬さん:「本当はもう少しコンパクトでも良かったんでしょうけど、それは天才に対してはとても言えない。」伊万里に対する深い思い入れが大曲になった理由だった。これを見た所さん、巨匠つながりで黒澤明監督とのエピソードを語る。