最近知った地質学の用語に「AT層」があります。「姶良・丹沢火山灰層」のことで、約3万年前、姶良カルデラ(鹿児島湾)の大噴火により火山灰が北海道を除く日本全国に飛散し地層を形成しました。成分に顕著な特徴があることから、旧石器時代の地層年代を決める「鍵層」と呼ばれています。すなわち、このAT層より下は3万年以上前のものということになります。
今から20年程前、黒曜石の産地として有名な腰岳(伊万里市)の中腹に露出している溝状の落ち込み部分でローム層の堆積が発見され、分析の結果AT層であることが明らかになっています。(写真参照)
実際に現地で地層に向き合うと旧石器時代の自然や人々の営みがまぶたに浮かび、語りかけてくれる気がします。考古学の浪漫ですね。(管理人)
コメントをお書きください