2020東京オリンピックの17日間にわたる熱き戦いは、日本に過去最高のメダル数をもたらし閉幕しました。競い合うアスリートたちの姿が、コロナ禍に沈みがちな世界中の人々の心に感動と勇気を与えたことは言うまでもありません。
スポーツの祭典であるオリンピックの競技種目に、過去に「芸術」が存在したことを、私は最近知りました。1912年の第5回ストックホルム大会から、1948年の第14回ロンドン大会まで、スポーツを題材とした建築・彫刻・絵画・音楽・文学の5つが競われたのです。芸術は、近代オリンピックの創始者、クーベルタンの強い希望で競技に取り入れられたのですが、様々な事情でロンドン大会を最後に今大会まで実施されたことはありません。
ですが考えてみると、競技施設の建築、エンブレムやユニフォーム、ピクトグラムなどのデザイン、大会の随所に流れる音楽、アスリートの最高の一瞬をとらえる写真など、様々な芸術が現在のオリンピックを支えていることに気がつきます。芸術は競技として存在しなくても、今もオリンピックの中から消えることはないようです。(指揮者N)
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