「チョットー まだー?! いい加減にしてよー!」と怒りの声。我に返り「ハーイ!」 慌てて身支度。
こんな事何回くり返して来たことやら。「来る者拒まず 去る者追わず」の生活信条はトイレでも活かされていて完全に去って行くまで…気長にいつまでも…である。
この時間を有意義に過ごす為に我が家のこの狭い個室には本置き用の棚が設けてある。囲碁、将棋、俳句、和歌、クイズ本、雑学書等々あれこれ50冊。どれを手にしても場所柄未読部分が多いので、ある意味新鮮、ついつい読みふけってしまい冒頭の様な事態となるのである。
さて、この独房に流麗な筆文字で書かれた張り紙がある。亡くなった長唄師匠の義母がお弟子さんを多く抱えていた頃、出入りしていた筆達者なお弟子さんが書したという詠み人知らずのうた
急ぐとも
必ず渕に多れかくふ 吉野の花も 散れば汚し
とんびが啼く6月の伊万里に移り住んで10年。ずっとこの張り紙に睨みを利かされている。そう云えば移住した年、早く地元に馴染むためにとカミさんに勧められて入団した伊万里合唱団。こちらも計算通り10年。十分馴染ませてもらっている。(バース福塚)
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