お盆になると、我が家の食卓に上る料理があります。
それは「たらおさ(鱈胃)の煮物」。実は伊万里の郷土料理ではないので、伊万里の方にもあまりなじみがないと思います。
たらおさ(鱈胃)とは、魚の鱈のエラと胃を干した乾物です。身の部分は「棒鱈」になりますから、いわばその残りの部分。乾物の段階ではかなりグロテスクな外見です。これを前日から水に浸して戻し、小さく切ってゴボウや昆布などと一緒に甘辛く煮たものが「たらおさの煮物」です。
九州でもこれを食べるのは福岡の一部や大分県の日田地方だそうですが、祖父母が福岡出身の我が家ではお盆には欠かせません。伊万里では鱈胃が手に入りにくいこともありますが、今年は近くのスーパーで買えました。ただ、怪しげな乾物を手に取る私を、不思議そうに見ている人はいましたが…。
たらおさを味わいつつ、ご先祖様を偲ぶお盆です。(指揮者N)
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