今回は名古屋市へ。ここは人口230万を擁する東海地方の拠点都市。徳川家が建てた名古屋城尾張徳川家を中心に発展を遂げました。
江戸時代、この地を治めた尾張徳川家は御三家筆頭と言われながら、一人の将軍も輩出出来なかった事で知られています。独自の文化が花開いた時代の名残りでしょうか。芸術等も盛んでした。
今回は16世紀末から17世紀初頭の僅かな期間の活動ではありましたが、美術史にその名を燦然と今も輝かせているイタリアの画家、カラヴァッジョの展覧会(15日をもって終了。)が開かれていた市の美術館へ。その特徴は光彩を取り入れた構図の巧みさと絵画の中の人物があたかも生きているかのような生々しさにあると言われ、レンブラントらその後の美術界にも多大なインパクトを与えました。
今回の展覧会では美術館のみならず個人所蔵の作品も見られました。中でも代表作とされる「ゴリアテの首を持つダビデ」は旧約聖書に登場する少年期のダビデとイスラエル人を苦しめた暴漢ゴリアテとの死闘を描いているのですが、ダビデには無垢な若き日の、ダビデに倒されたゴリアテの首には晩年のカラヴァッジョ自身の苦悶と後悔が描かれていると言われています。創作活動、幾多の死闘、流転の生涯を経て38歳の若さで逝った彼の凄まじい生涯が偲ばれ、息を飲むばかりでした。(ベース西山)
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