1995年7月7日、「伊万里を作り・市民とともに育つ・市民の図書館」という理念を掲げる伊万里市民図書館が誕生しました。
市民の思いは設計図の随所に取り入れられ、高さを抑えた使いやすい書架室だけでなく、読み聞かせができる「のぼりがまのおへや」や、多様な学習スペース、休憩スペースなど、それまでになかった滞在型の図書館になっています。
スタッフは専門性を有する13名の司書資格者を中心にきめ細やかな対応が行われているほか、2台の自動車図書館「ぶっくん」が市内の幼稚園や保育園などを巡回し、幼い頃から本に親しんでもらえるような取り組みを続けられてきました。
理想の図書館を追求する先駆者として、現在でも全国の自治体などから多くの視察団がお見えになっています。(2015年度の視察受入実績は205団体 1,230名)
2016年8月には元総務大臣で慶応義塾大学法学部教授の片山善博さんが伊万里市民図書館の名誉館長に就任されました。
《伊万里市民図書館の主な受賞歴》
1997年10月…第13回日本図書館協会建築賞受賞
2000年 6月…第7回公共建築優秀賞受賞
2002年 4月…子どもの読書活動優秀実践図書館として文部科学大臣表彰受賞
2008年10月…第2回文字活字文化推進大賞受賞
2014年 4月…2度目となる文部科学大臣表彰受賞
2015年 9月…日本経済新聞「NIKKEIプラス1」(別刷紙面)の「全国の図書館の中から一度は訪ねて読書をしたい美しい図書館」ランキングで西日本の1位に選出。
2016年11月…Library of the Year 2016 ライブラリアンシップ賞受賞
図書館「めばえの日」
開館からさかのぼること約1年5ヶ月前、1994年2月26日に新図書館の起工式が行われました。
起工式の後、200人余りの市民がヘルメットをかぶり、期待に胸を膨らませて敷地割りの済んだ『新しく建つ図書館』の建設予定地を歩きました。『新しい図書館』が芽生えたのです。その日、「図書館づくりをすすめる会」により、「ぜんざい」がふるまわれました。
起工式があった日を記念し、開館後も毎年2月下旬の日曜日を「めばえの日」として、来場者に300食のぜんざいが「図書館フレンズいまり」により提供されるほか、市民図書館を活動拠点とする「いすの木合唱団」による合唱の披露や古本市などが開催されています。
図書館フレンズいまり
ボランティア団体である「図書館フレンズいまり」は、図書館の建物と同じく1994年に設立されました。会員(約400名)の会費で運営され、講演会や古本市などの各種イベントや、会誌の発行、各種提言などを行い図書館活動をサポートされています。
いすの木合唱団は、最近聴かれなくなった「美しいメロディー、美しい詞(ことば)の歌」を、図書館・子ども開架室の ”いすの木" の下で歌おう、そして、図書館を訪れる方や子どもたちに聴いていただくため2001年に発足しました。
以来、図書館の行事に合わせて歌ってきたほか、2015年10月からは、乳児向けのおはなし会「おはなし012」に参加された若いお母さんと赤ちゃんに向けて歌い、楽しんでいただいています。
図書館「☆(ほし)まつり」
図書館が開館した感動を忘れないよう、毎年7月7日(七夕の日)の週末に「図書館☆(ほし)まつり」が開催されています。
いすの木合唱団や伊万里合唱団、伊万里少年少女合唱団などの演奏のほか様々な文化的なイベントが企画され、毎年大勢の来場者で賑わいます。